全会一致夢日記Vol.32|「いそがしい、と、ねむる。」
date:2025/11/03
【夢のプロンプト】 弊社にはタイムカードが無い なぜなら社員がいないから。 朝から晩まで働いてるように取り繕ってますがちゃんと寝てます。
ぼくの会社には、タイムカードがないんです。 かっこいい言い方をすれば、「時間じゃなくて、成果で働きたいから」ということになる。 でも、これはちょっと、かっこよすぎるかな。ほんとうの理由は、社員がぼくしかいないから、なんですけどね。 おもしろいもので、誰かに見られているわけでもないのに、ぼくは、ときどき「いそがしい人」のふりをします。 夜中にメールを送ってみたり、休日の朝に、仕事っぽいSNSの投稿をしてみたり。 たぶん、世の中の「すごい人」っていうのは、みんなこうなんじゃないかな、なんて思いながら。 でも、正直にいうと、ぼくは、ちゃんと寝ています。 むしろ、寝るのが好きだ。あたたかい布団にもぐりこんで、一日のできごとをぼんやり思い返して、いつの間にか眠っている。 あの時間が、たまらなく好きなんですね。 「社長」 ソファで本を読んでいた猫村くんが、顔をあげずに言った。 「『いそがしい』っていう字は、『心』を『亡くす』って書くんですよ」 「…」 「社長は、心を亡くすふりをして、ちゃんと心を休ませている。それって、すごく利口なことだと思いますけどね」 猫村くんは、またすぐに本に目を落とした。 ぼくは、なんだか、すごく褒められたような気がして、顔が赤くなるのを感じた。![]()
小熊:「…今日の夢は、なんだか、いい人そうだったな。誰もぼくを責めなかった」 猫村:「ええ。『ほぼ日』が更新されていましたからね」 小熊:「その言い方は、もう答えそのものじゃないか…。それで、この曲か。なんだか、すべてを許されたような気分になるな」 猫村:「ええ。ちゃんと寝ていれば、きっと、空も飛べるはずですよ」 ♪ 『空も飛べるはず』 – スピッツ