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全会一致夢日記Vol.31|「数字は嘘をつかない」

date:2025/10/27

【夢のプロンプト】
財務、会計を外注にしている
全然 知らない分野だったが、こちらがしっかり問えれば全く問題ない
しかし「問い」は大切だ。クロゴはディレクションを生業としよう

夜のオフィスは、安いバーボンと、解決しない事件の匂いがした。
今日の事件の依頼人、つまりクライアントは一通の会計報告書。
俺のデスクの上で、挑戦的に横たわっている。
貸借対照表、減価償却、スラングの羅列は、まるで裏社会の暗号だ。

俺は電話の受話器を取り、タレコミ屋に連絡を入れた。
一つ、また一つと、奴らに問いをぶつける。
俺の仕事は、この暗号を解読し、真実を明らかにすること。
連中はプロだ。こちらの問いが的確であれば、奴らは決して嘘はつかない。

数字は嘘をつかない、とはよく言ったもんだ。だが、そいつを正しく読むには、それなりの覚悟がいる。

一通りの尋問を終え、俺は自分の仕事に取り掛かった。請求書だ。
こんなものは、やつらに任せておけば早い。だが、俺はそれをしない。
それが、俺の流儀だった。一枚一枚、自分の手で項目を打ち込み、自分の手でPDFを作り、自分の言葉を添えて、依頼人に送る。

「探偵さん。まだそんな古風なやり方で?」

いつの間にか、猫村が部屋の隅の暗がりに立っていた。
まるで、都会の夜霧から生まれた亡霊のようだった。

「請求書ってのはな」俺は封筒を閉じながら言った。
「最後の挨拶みたいなもんだ。どんなにややこしい事件でも、別れの挨拶くらいは、自分の口で言いたい。そういうもんさ」

猫村は何も答えず、ただ静かに闇に消えた。
俺は、切手を一枚、丁寧に貼り付けた。この街では、こういう小さな美学だけが、俺を正気でいさせてくれる。



小熊:「…今日の夢は、やけにタバコの煙とウイスキーの匂いがしたな。フィルム・ノワール気取りか?」
猫村:「ええ。『タフでなければ生きていけない』、でしたから」
小熊:「それで、このクールすぎるジャズを選ぶわけか…」
猫村:「ええ。孤独な探偵の長い夜には、これくらいクールな鎮魂歌(レクイエム)が必要ですよ」
♪ 『So What』 – Miles Davis

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