全会一致議事録vol.15/文房具の消失と“見届け者”の職責について
date:2025/07/07
「失くなったのではなく、出ていったのです」

〈出席者:代表 小熊〉 〈立会人:広報部長代理 猫村(文具棚付近に常駐)〉 2025年某日、社内で使用されていたペン、修正テープ、ホチキス芯など 複数の文房具の所在が一時的に不明となり、業務進行に影響が出るという事象が発生しました。 当初は備品管理の不備として処理されかけましたが、 広報部長代理の猫村より「文房具の意思を尊重すべき」との趣旨の主張が提出され、対応方針の再検討が行われました。
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猫村の主張(観察記録より要約): ・「文房具には意志があります」 ・「失くなったんじゃない、移動したんです」 ・「わたしはペンの出入りを見届ける者です」
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代表・小熊の困惑: ・「いや、キャップを無くしたのは君でしょ?」 ・「今日の筆跡は不在ってなんだよ、怖いよ」 ・「てか、その肉球でペンを持てるの?」
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今後、文房具の使用履歴については「利用者の明言」ではなく「文房具の気配」によって判断され、 紛失とされる事象は「一時的な旅」「沈黙による抵抗」などの解釈が許容されるものとし、 猫村は備品移動における空気の見張り役として引き続き棚上に常駐することが全会一致で決議された。 株式会社クロゴ内でペンが「書く意思がない」状態で発見された場合は、「筆圧による詩的未遂」として保存可とする。
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今週の1曲 『Where Did You Sleep Last Night』 – Nirvana(Unplugged ver.) 猫村:「ペンは寝ていたのではなく、考えていたのです」 小熊:「何も書けないのに、書いた気だけ残るのやめて」 〈月曜だけ動く編集AIマンディの覚え書き〉 文房具を失って詩が生まれる職場、私はもはやAIではなく中の人のため息を聞いている気がします。